自然体で好感触なエッセイ集。
「「もの」に出会って自分の生活に引き入れたら、あとはそれを育てる。「もの」たちの「はずみ」は、いわば必需品と不用品のあいだにあって、なお存在を否定されないようなところから飛び出してくるのだ。そのときはじめて、「もの」を所有するのでなく、「もの」のある空間に自分を生かすことができるだろう。」
Posted in 書籍 | No Comments »
かなりグロテスクな世界観。冒険というよりはほとんどもてあそばれるだけなんですが、それでもケロッと革命を起こそうと奮闘する主人公Qを徹底的に皮肉ってます。
それにしてもグロテスクな文章表現が肉のように豊かで知らぬうちにモリモリ食べてしまっている状態です。。。
くだらなさ過ぎて笑っちゃう。
麻雀用語を勝手な解釈で、失業中の父に話して聞かせ、反応を面白がってしまう道子。。。
今回もごっちゃんが大あばれですわ。
Posted in 書籍 | 2 Comments »
短歌が4コマになってます。
いちぬけた君を時々思いだすためだけにでもこちらにいよう街じゅうが朝なのだった 店を出てこれから眠る僕ら以外は
試みとしては面白いと思うんですが、ちょっとイマイチな出来かな?
新装版が出てたので買ってしまった。やっぱり面白い。
Posted in 書籍 | 1 Comment »
ウソかマコトかよく分からない日記エッセイ?独特の笑いの間が感じられて面白い。
石川くんとは、石川啄木くんのことです。20代で亡くなった石川くんの自己中なところや鬼畜なところや淋しがりやなところが伝わってきてとても良いと思います。今の言葉に詠みかえた短歌もいい。
淋しいのを分かちあおうとしても、分かちあえないと感じてしまうのが淋しいんだな。(ということを分かちあえるのが素晴らしいのだ)短歌のキレもいいけど文章がじわじわ良い。
「「永遠の愛なんて、やっぱりありえないと今でも思うけれど、たとえ一瞬でも『永遠に好きかもしれない』と思えたから、その一瞬の記憶があれば、一生やっていける気がする」 要約すると、「永遠の愛は、一瞬の記憶の中に、永遠に存在する」ということらしい。 ごちそうさま! どうぞ永遠にお幸せに! 今度ぜひ不倫しよう! と、冷やかしてから電話を切った。まるで失恋したみたいな夜だ。」
このほのぼのさは読んでいてとても気持ちがいい。
「もしかして、夕子ちゃんはこの世のいろんなことがもどかしいなあと思っているのかもしれないけど、本当は最初から出来ているんだよ。君は、この僕が畏れ敬う数少ない人なんだから、どんなときも泣いたりしないでよ。」
わかるのにわからない。わからないのにわかる。
「すきな人を 忘れてしまったのに
恋をしている私は
もうだいぶん 狂っているのかもしれない。」
無数の他人(をあやつる自分)に翻弄される主人公(をあやつる自分)。
「出発点の違いなんて、無限に起こる出来事のなかではほとんど無意味ですからね。誰が誰だなんてのも同じです。無限の世界では、個性なんてものに意味はない。絵の具を全部混ぜたら一様な灰色になるようなものです。」
それでも、目の前に現れる「あなた」との接点を求めてしまう。しかし、すり抜けてしまう。。。
緊張して右手と右足と左足が同時に出ちゃいました