Archive for the ‘書籍’ Category

半島 / 松浦寿輝

水曜日, 12月 30th, 2009

半島
中年男にして感じる現実のいろいろ。

「こんなふうにボールで遊んでいる俺は、本当にボールで遊んでいるのではなく、ただ単に、ボールで遊んでいる俺自身を思い出しているだけなのではないだろうか。もしそうならば、この俺はこのボール遊びの瞬間の中にいるのでは実はなく、この瞬間を思い出しつつあるもう一人の俺の記憶の蘇りの中にいるのであるならば、その思い出している方の俺、本当の俺は、いったいどこにいるのだろう。どんな瞬間の中にいるのだろう。」

本当はちがうんだ日記 / 穂村弘

水曜日, 12月 30th, 2009

本当はちがうんだ日記
穂村さんの考察集。
本当はちがうらしい。


 それにしても、私のエスプレッソがこんなに苦いのは何故なのだろう。果実の香りとキャラメルの味わいの飲み物が、地獄の汁に感じられるのは何故か。それは、おそらく、私自身がまだエスプレッソに釣り合うほどの素敵レベルに達していないからだ。私の素敵レベルは低い。容姿が平凡な上に、自意識が強すぎて身のこなしがぎくしゃくしている。声も変らしい。すぐ近くで喋っているのに、なんだか遠くから聞こえてくるみたい、とよく云われる。無意味な忍法のようだ。
 だが、と私は思う。本当は何もかもちがうのである。私は忍者ではない。私しか知らないことだが、実は、今ここにいる私は「私のリハーサル」なのである。これはまだ本番ではない。素敵レベルが低いのはそのためなのだ。芋虫が蝶に変わるように、或る日、私は本当の私になる。そのとき、私の手足は滑らかに動き、声はちゃんと近くから聞こえ、そして、私はエスプレッソの本当の風味を知るだろう。それは芳醇な果実とキャラメルの味わいである。

榎本俊二のカリスマ育児 (2) / 榎本俊二

火曜日, 12月 8th, 2009

榎本俊二のカリスマ育児 (2)
テンポがいい。

バーベキューのボツイラストがブキミでいいですねぇ

谷底ライオン / 中川いさみ

火曜日, 12月 8th, 2009

谷底ライオン
シュールすぎる・・・

「ボーナスクイズです!!」

新米主婦エーコ / 中川いさみ

水曜日, 10月 21st, 2009

エーコ
ひさしぶりにシュールでナンセンス。

雪沼とその周辺 / 堀江敏幸

水曜日, 10月 21st, 2009

雪沼とその周辺
寂れた山あいの町で人々がそれぞれの過去を振り返り迷いつつ日々のちょっとした出来事に対峙する短編集。

デボネア・ドライブ 1・2 / 朝倉世界一

月曜日, 10月 19th, 2009

デボネア・ドライブ 1
ほのぼのキュートでゆるゆるだけど、
デボネア・ドライブ 2
ストーリーはハードボイルドでファンタジー。

そこはいきどまりだよ。 でも、まぁいいか。 / しりあがり寿

金曜日, 10月 16th, 2009

そこはいきどまりだよ。
ハミチンさんが大暴れです。
でも、まぁいいか。
「コンタクトレンズ」がいい出来です。

絲的メイソウ / 絲山秋子

水曜日, 10月 14th, 2009

絲的メイソウ
絲山さんのサバサバしつつも表現ゆたかなエッセイ集。

俺とねこにゃん 1 / 唐沢なをき

木曜日, 10月 8th, 2009

俺とねこにゃん 1ねこの可愛さと唐沢家のねこ馬鹿っぷりがおもしろい。
かわい~~~ん

とりから往復書簡 2 / とり・みき 唐沢なをき

木曜日, 10月 8th, 2009

とりから往復書簡 2とり・みきと唐沢なをきの漫画が交互に楽しめるなんて~

いつか王子駅で / 堀江敏幸

木曜日, 10月 8th, 2009

いつか王子駅でこの著者独特の落ち着いた語り口がいい。

「ときどき外国の本を取り寄せて活字を追ったりする者として、いま篠吉の心中にひろがりつつある震えを捕まえてくれるような言葉にはなかなか出会えないなと嘆息したくなる反面、いやそんなはずはない、新鮮な狼狽を現実に味わうのでなく言葉で伝えるにはどう生きたらいいのかを思いめぐらす文学は、国を問わずどこにだってあるのではないかとの想いもつのる。」

蛇|愛の陰画 / 倉橋由美子

木曜日, 10月 8th, 2009

蛇|愛の陰画前半の短編はどうということはなかったんですが、後半の短編はすごいと思います。。。
とくに「蠍たち」と「宇宙人」。

「ぼくとLのあいだにはにせの肉で包まれた虚無が横たわっていた。いわばこれがぼくたちの宇宙だった。それはヘルマフロディトの、完全な人間の形をしており、ぼくたちの渇望は、二人でそのなかにはいって完全な存在になることだったはずだ。」(宇宙人)

六〇〇〇度の愛 / 鹿島田真希

木曜日, 10月 8th, 2009

六〇〇〇度の愛主人公の女とロシア人の血を引く青年の会話の掛け合いがいい。

「気づいた時にはなにもかもが屍だった。あらゆることの意味全てがさいころの目のように決まる。無造作に投げられたさいころ。その目をみんなが、あらゆる出来事が、無抵抗に受け入れられる。それは・・・そう! やはり屍としかいいようがないわ。なんてしらけた世界なんでしょう。私は黙示録を見ているわ。世界は白いのね。偶然によって染まるように白くできているのね。ねえ、あなたも知っているでしょう? 私とそっくりのあなたもそのことに気づいているのでしょう?」

「ねえ、あなたも知っているでしょう? 世界はとっくに終わってしまっていたのよ。」

ひまわりっ (11) / 東村アキコ

水曜日, 8月 26th, 2009

ひまわりっ (11)
野生の王国・・・いい感じ