Archive for the ‘書籍’ Category

阿修羅ガール / 舞城王太郎

日曜日, 8月 7th, 2005

阿修羅ガール「私は私の内側のどこかにある、それもはじっこじゃなくて中心にある、暗い森の中で、私の中にあるたくさんの私を吸い込んでバラバラにして私の中に取り込んで、どんどん大きくなっていく。そうだ。私は怪物だ。」

まずいちばん特徴的なのは女子高生の口語体なのですが、まぁそれは特に珍しいことでもなくて、第3部で変調してるところがちょっと気になった。文体変わってるのはいいとして、だって、いきなりガクーンって説明っぽくなってるんだもん。

まぁでも面白かった。

実験小説 ぬ / 浅暮三文

金曜日, 8月 5th, 2005

実験小説 ぬ「考えてみれば本の世界、本の中の物語は開いたページにしか存在しない。読者にとって閉じられたページはないのと等しい。それと同様の理由で今、私が感じられるのは私がいるページの世界だけだとしたら。
残りのページは閉じられているのと同じく、世界として成立していないとしたら――。」 (カヴス・カヴス)

実験小説とは何を実験するのか?小説を実験するのである。小説を小説が実験するだって?小説はそう思った。
小説が小説に小説を小説して小説らしく小説として小説は小説であるまえに小説だった。

「カヴス・カヴス」「小さな三つの言葉」「タイム・サービス」「箴言」などが私好み、他もまぁまぁ面白い。

奇人画報 / 駕籠真太郎

火曜日, 8月 2nd, 2005

奇人画報 とりあえずグロいです。いや、かなりグロいです。要注意です。そしてエロいです。さらに言うと安直です。しかしその安直な発想がけっこうブッ飛んでいくこともあるんだね。

あらゆる場所に花束が・・・ / 中原昌也

火曜日, 6月 21st, 2005

あらゆる場所に花束が…
下品なまでにストレート
間違っていようといまいと

ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ / 高橋源一郎

火曜日, 6月 14th, 2005

ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ「もし、あたしたちの写真がなくて、あたしたちのことを考えてくれる人もいなかったら、あたしたちがいたことを誰も覚えてなくて、あたしたちはいないことになるかも。

 ああ! あしたね、世界が終わるの」

グレーテストヒッツである。CDでいうとベスト盤か。でも著者が違うのでカバーアルバムって感じかな。

いろんな話がつまってて、それぞれは断片的で、でもなにか続いてゆくようで。
でもやっぱり断片的で、その断片と断片のすき間がとても深い暗闇のようで呑み込まれてゆくようで、でも確かに続いてゆくようで。
それは生のようで、自分という得体の知れないもののようで。
そして、続いてゆくことが不可能であることを背負った断片が終わってゆくそれ自体も続いてゆくようで。

「ぼくはすでに、この『手帳』を何度も書き直している。いや、『手帳』に何度も書き直されている。正直にいおう。その度に、ぼくは腹を立て、もうなにも書くものかとか、『手帳』を出し抜いてやるぞとか、思ったのだ。だが、なにも書かなければ、ぼくでもあるきみは、今日、ひどく不利なところからスタートしなければならない。それだけは避けなければならない。ここまで、たくさんの『ガドルフ』たちがやって来たことを無にすることなく、できうるかぎりのことをしなければならないのだ。」

センス・オブ・プログラミング! / 前橋和弥

金曜日, 6月 10th, 2005

センス・オブ・プログラミング!―抽象的に考えること・データ構造を理解すること 「低レベル」な話も書かれていてなかなか面白い。

舞台を遊ぶ / 別役実

土曜日, 6月 4th, 2005

別役実の演劇教室 舞台を遊ぶ「成功した演技者は、「劇中人物になり切った」ように見えると同時に、それが演劇であることを超え、「虚空に遊ぶ妖精」のように見えなければならない」

とりあえず遊ぶことからはじめてみよう。

「材質の中に既にドラマは存在しているのであり、創作者は、それを感知し、探り出していくだけなのである」

台風娘 / 薄井ゆうじ

土曜日, 6月 4th, 2005

台風娘バランス~バランス~バラバラ~
いかん!バランスがバラバラだ!バランスをとるんだ!とるってどうやって?手にとるんだよ。(ぇ

骨は珊瑚、眼は真珠 / 池澤夏樹

土曜日, 6月 4th, 2005

骨は珊瑚、眼は真珠「ぼくたちはみんな満ち足りて、ただひたすら受け取るだけで、支払いを済ませることもなく、安心して、満足して、死んでゆくだろう。」(眠る人々)

眠る人々のイメージが面白い。何かが起こりそうだけど結局なにも起こらない。のか?

人はどこまで残酷になれるのか / 桐生操

土曜日, 6月 4th, 2005

人はどこまで残酷になれるのか拷問・処刑・殺人にはたいてい性がかかわってたりしてこれはまさに人間の基本的な欲望かもと思ってしまう。

この本のなかでは特に人物をクローズアップしておりそれぞれの人のストーリーが絡むととても面白く読めてしまう。

ア○ス / しりあがり寿

月曜日, 5月 23rd, 2005

ア○ス「その少女は
 たった一人
 人ゴミの中
 すっぱだかで立っていました。」


サビシサから始まってやっぱりサビシサに終わる。その過程でいくらめちゃくちゃしたって自分の心に素直ならと思えば思うほど世間の冷たさが身にしみる。サビシサのかたまりである脳みそちゃんを黙らせることが普通に生きていくことだとしたら

「ときおり私は
 こうしてとりもどした「あたりまえ」が
 とてつもなく巨大で退屈なものに思える。」

サビシサを感じていながらもそれをサビシサだと考えられない脳みそちゃんが悲しい。

HIGH SCORE / 津山ちなみ

月曜日, 5月 9th, 2005

HIGH SCORE 1 (1)ダマ先生はメガネを外すと骨格まで変わってしまうんです。
1巻から4巻まで、絵柄がかなり変わってしまうんです。
面白い4コママンガです。

団地ともお(4) / 小田扉

火曜日, 4月 26th, 2005

団地ともお 4 (4)じんわりおもしろい。

「大佐の脳は以前、
改造手術によって
牛スジに入れかえ
られていたので、
あながち間違いでも
なかった。 」

男ロワイヤル/小田扉

火曜日, 3月 29th, 2005

男ロワイヤル「エレクトロねえちゃん」の感じがとても好きだ。

「馬鹿者!!日本のマンガは
大人が読まざるをえないほど
面白いんだ!!」

清水義範「私は作中の人物である」

日曜日, 2月 27th, 2005

私は作中の人物である軽くてテキトーそうに書かれていて、
ものすごく軽薄な感じがしておもしろい。

以上のことは全部嘘である。