Archive for the ‘書籍’ Category

カエルの宿 / 川崎徹

日曜日, 3月 5th, 2006

 カエルの宿ブックオフで発見したので確保。
今から20年くらい前の本だが、このナンセンスさはまだまだ通用する。

「犬が腋の下に香水なんかつけて何になるって言うんだ。エッ、答えてみろ、答えられるか!!」

子猫が読む乱暴者日記 / 中原昌也

金曜日, 3月 3rd, 2006

 子猫が読む乱暴者日記文庫化で再読。
何度読んでもスルスルっと読めてしまう。
読んでるときは軽快に読めて、読んだあと記憶喪失のように内容を忘れちゃうので、何度でも読書を楽しめます。

「人付き合いがうまくなったような気がしたが、実際のところ彼とはそつなく振舞っているだけで、本物の心の交流なんてなかった。」

殺しも鯖もMで始まる / 浅暮三文

木曜日, 3月 2nd, 2006

 殺しも鯖もMで始まるなかなか魅力的な謎です。
ダイイング・メッセージは「サバ」「ミソ」。謎を解くのはアメリカ帰りの葬儀屋青年。わけのわからない例え話が一番の謎だ。

自分の謎 / 赤瀬川原平

水曜日, 2月 22nd, 2006

 自分の謎
自分とはなんなのか?その答えがここに!というわけではないんですが、自分について考える手がかりがいろいろ書かれていて面白いです。

破戒 / 松尾スズキ 山本直樹

火曜日, 2月 21st, 2006

 破戒
ユーモアを心にと思いつつ、なーんもいいことがない生活、そこに突然飛び込んできたミツコさんは。。。

くもはち / 大塚 英志 山崎 峰水

月曜日, 2月 20th, 2006

 くもはち
義眼の「くもはち」とのっぺら坊の「むじな」が妖怪ネタ探しをする漫画。
妖怪がひきおこすお話が面白い。

ハピネス / 古屋兎丸

水曜日, 2月 15th, 2006

 ハピネス わりと現代的なテーマが多いせいか、直截的な表現でちょっと恥ずかしいんですけど。
セリフは練られてる感じがします。

左見右見 / 別役実

火曜日, 2月 14th, 2006

 左見右見「どこかにじっと座っていて、パソコンに向き合っていれば、流動する世界のまっただ中に入りこんでいると思いこんでしまいがちなのであるが、これは錯覚以外の何ものでもない。我々は世界に参加していると思っているが、世界の方は我々が参加しているとは思っていないからである。」

四字熟語によって「情報化社会」の現代を左見右見するエッセイ集。

「「情報化社会」と言われる時代に入り、言葉が単なる「意味のある記号」にされてしまって逆に、言葉の持つ、意味以外の要素が見直され、「多少普遍性は欠くにしても」という条件つきで、方言が見直されはじめた、(・・・)共通語(いわゆる標準語のこと)は意味に過ぎないが、方言は言葉である。それには意味である以外に、「ひびき」があり「匂い」があり「手触り」があり、それらを総合して体感するための実体がある。(・・・)この同じ意味で、四字熟語も言葉である。意味の記号ではない。方言と同様、我々はそれを実体のある言葉として、体感できる。」

ラジオの仏 / 山本直樹

月曜日, 2月 13th, 2006

 ラジオの仏山本直樹のみた夢201編。
なぜか菊地成孔との対談つき。

「死んだ奴」がおもしろいと思った。

不在の騎士 / I・カルヴィーノ

水曜日, 1月 25th, 2006

不在の騎士「このぼくの剣であなたをお守り申し上げると誓言したいのですが、心配なのは、あなたのお姿を見てぼくの心に燃え上がった感情が、怪しからぬ振舞いとあなたがお思いになるかも知れないほどに羽目をはずしてしまうことなのです」

いろんな登場人物が楽しい。
存在しないけど存在する騎士、存在するけど存在してない人々。存在しない騎士によって統御されている物語が崩れるとき、、、存在していることに気付いた人々が目覚めるとき、、、本の最後のページはめくられ未来へと走っていく。

「存在するということだって、学びとるものなんですよ・・・」

心中への招待状 / 小林恭二

木曜日, 1月 5th, 2006

心中への招待状―華麗なる恋愛死の世界
わたくしも恋愛死なんぞしてみたいものですなぁ。。。

団地ともお 6 / 小田扉

木曜日, 1月 5th, 2006

団地ともお 6 (6)
第15話の「6も7もきっとあるぜともお」が文学的でしかも面白い。

インストール / 綿矢りさ

月曜日, 1月 2nd, 2006

インストール手に取ると軽い本パート2。
マンガのように軽快でおもしろい。作者からの面白く読ませようパワーが感じられて好感が持てる。

「こんなふうに地べたに横たわるのが私の表現できる精一杯の個性なのだ。」

二匹 / 鹿島田真希

月曜日, 1月 2nd, 2006

二匹 「よく考えてみると、それらは何の関係もない。しかしそれらはまるで因果関係を持っているかのように機能していた。」

手に取ると軽い本だ。
ヘンテコな世界。その世界にしかし動かされ、翻弄されていると知って、意識的に動き、状況を上滑りさせようとする二人は「二匹」であると宣言する。二匹はその行動ゆえに大きなダメージを受けるがそれがなんぼのモンじゃいヘンテコな世界から見放されたとき初めて自由な聖なるバカとなる。破壊的な文章がだんだん心地よくなる。。。

官能小説家 / 高橋源一郎

金曜日, 12月 30th, 2005

官能小説家源一郎が書く鴎外と、鴎外が書く源一郎。必死に茶化さないと書けない「官能小説家」。時代の倒錯した世界がなんともおかしいです。
そしてそこに描かれる、ぶきっちょな桃水と一途な夏子、ぶっきらぼうな鴎外と冷静な漱石らによる恋愛小説。

きみはきみが選んだ言葉以外のすべてを殺した。だとするなら、きみは、きみが殺したすべての言葉、きみが投げ捨てたすべての可能性に対して責任を負わねばならないんだ。

桃水も悲しいが夏子も悲しい。