情景と主人公の思考が絡まりあいつつ話は進む。ちょっと保坂和志と似ているかな。「ながくつきあっている連中と共有しているのは、社会的な地位や利害関係とは縁のない、ちょうど宮沢賢治のホモイが取り逃がした貝の火みたいな、それじたい触れることのできない距離を要請するかすかな炎みたいなもので、国籍や年齢や性別には収まらないそうした理解の火はふいに現われ、持続するときは持続し、消えるときは消える。不幸にして消えたあとも、しばらくはそのぬくもりが残る。」
「熊の敷石」もいいが併録の「砂売りが通る」も良い。
This entry was posted on 水曜日, 4月 19th, 2006 at 10:36 PM and is filed under 書籍. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can skip to the end and leave a response. Pinging is currently not allowed.
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