六〇〇〇度の愛 / 鹿島田真希

六〇〇〇度の愛主人公の女とロシア人の血を引く青年の会話の掛け合いがいい。

「気づいた時にはなにもかもが屍だった。あらゆることの意味全てがさいころの目のように決まる。無造作に投げられたさいころ。その目をみんなが、あらゆる出来事が、無抵抗に受け入れられる。それは・・・そう! やはり屍としかいいようがないわ。なんてしらけた世界なんでしょう。私は黙示録を見ているわ。世界は白いのね。偶然によって染まるように白くできているのね。ねえ、あなたも知っているでしょう? 私とそっくりのあなたもそのことに気づいているのでしょう?」

「ねえ、あなたも知っているでしょう? 世界はとっくに終わってしまっていたのよ。」

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